犬の嗅覚
犬が優れていることは常識
犬の嗅覚が優れていることは、誰もが知っていることです。
もはや常識といえるほどです。
書物、獣医学者の論文を読むと、人間と犬の嗅覚を比較する記事が多いですね。
しかしその人間に対して犬の嗅覚が何倍優れているのか、その倍数がそれぞれです。
犬は人間の10万倍と記したものがあれば、一方では1億倍のものまでがあります。
読んでいると、一体どれが正解なの?と分からなくなりますね。
今回は犬の嗅覚について、お伝えいたします。
犬には得意なにおいと不得意なにおいがある
各書物や論文を読むにつれて、あることに気づきました。
それは「得意なにおい」と「不得意なにおい」があることです。
犬は血が通った生き物です。
機械のように全てがパーフェクトではないのです。
嗅ぎ分けが不得意なにおいがあれば、得意なにおいもあるっていうことです。
不得意なにおい
人工的に作られたにおいは苦手なようです。
芳香剤などが典型的な例ですね。
確かにアルジャンの看板犬、甲斐犬とアメリカンブリー(ピット)と照らし合わせると、思うところがあります。
※以後、甲斐犬はララ(楽)、アメリカンブリーはツボ(局)から、ララとツボ。
朝、僕がケージで寝ているララツボを起こすのですが、起こした後に犬臭があるベッドを除菌します。
そのスプレーは人間には無臭なのですが、どうやらララツボは判るようです。
即座にその場から消えます。
得意なにおい
飼い主にとっては嬉しいことですが、飼い主のにおいが好きというデータがあります。
そのにおいがたとえちょい臭の足のにおいでも、犬にとっては安心できる好きなにおいなのです。
ちょっと詳細に説明しますと、人間の汗に含まれる「酢酸」、人間の足の裏のにおいである「吉草酸」のにおいを区別することが得意なのです。
例として挙げると、知らない場所にいるときに犬は緊張します。
緊張は不安に繋がります。
そんな時に、飼い主のにおいがついた毛布でもあれば、犬はリラックスできるのです。
古代より犬は人間とともに暮らしています。
一緒にいる人間のにおいを理解したい理由で、人間のにおいの嗅ぎ分けの能力が上がったという説があります。
なぜ犬の嗅覚が優れているのか
犬の嗅覚については、獣医学的な話となります。
鼻の中の嗅上皮(キュウジョウヒ)にある嗅細胞(キュウサイボウ)がにおいを感知します。
人間と比べて犬は嗅上皮が広いのです。
広いので嗅細胞も多い。
その結果、人間よりも嗅覚に長けているのです。
嗅覚に優れているの意味
人間の10万倍から1億倍の嗅覚があると言われる犬。
でもちょっと誤解しないでください!
嗅覚が優れているからといって、わずかなにおいが強く感じるという意味ではありません。
わずかなにおいを嗅いで理解するという意味です。
つまりにおいを嗅ぎ分けることができるのです。
警察犬が犯人のにおいを嗅ぎ、向かった方向へ進んでいくというのは、その人間のわずかなにおいを嗅ぎ分けているのです。
遠くのにおいが分かる
10㎞以上離れた先のにおいが分かる。
書物によっては20㎞先のにおいを嗅ぎ分ける。
そのような話を聞きますよね。
実際はどうなのでしょうか?
人間の鼻の神経の100倍はあるといわれる犬です。
でも100倍です。
もちろん風向きなど、その時の気象条件はあるでしょうが、
流石に10㎞以上先のにおいは無理ではないでしょうか?
特に嗅覚が長けた犬でも逆風では無理でしょうね。
そもそも犬は基本、地面など下のにおいを嗅いでいます。
稀に空をにおう仔もいますけどね^^;
嗅覚が優れいてる犬種の特徴
多くの種類が存在する犬。
犬種によってにおいの嗅ぎ分けが得意な犬種もあれば、不得意な犬種もいます。
この段階でなんとなくどういう犬種か、ピンときますね。
得意な犬種と不得意な犬種の例を挙げてみます。
得意な犬種はジャーマンシェパードドッグ、ビーグル、ボーダーコリー etc です。
不得意な犬種はフレンチブルドッグ、ボストンテリア、パグ etcです。
これらの犬の姿形がすぐに思い浮かぶ方なら、すぐに理解できますよね。
マズルの長さで嗅覚の得意不得意が決まる
嗅ぎ分けが得意な犬種はマズルが長く、不得意な犬種はマズルが短いのです。
それは物理的に理解できます。
マズルが長い犬種は、嗅上皮が広いので嗅細胞が多く、マズルが短い犬種はその逆です。
アルジャンの名誉店長はフレンチブルドッグでした。
思い浮かべたら、においは嗅ぐけれど分かっていない?って感じることが多々ありましたね。
一方、現在の店長の甲斐犬「ララ」はシュッとした長いマズルなので、嗅ぎ分けが優れています。
誇らしい日本犬
最後に「モンキードッグ」ってご存知ですか?
近年、猿が街中に出没して人を噛んだり、何かとお騒がせです。
その厄介な猿を追い払う使役犬が「モンキードッグ」です。
得意としているのが日本犬たちですよ!
甲斐犬や柴犬など、空中のにおいを嗅ぎ分ける能力が長けているそうです。
本来、猟犬であった甲斐犬や柴犬は猟師が撃った獲物を追うことから、上空のにおい分けに長けているのです!
僕は甲斐犬と暮らしているので、ちょっと誇らしい気持ちです。
今回は犬の嗅覚について綴りました。
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